「アウフグース」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。 単に熱い風を浴びて、滝のような汗を流すだけのイベント。もしそう思っているのなら、それはまだ、この文化の「表層」に触れたに過ぎません。
こんにちは、25歳の熱波師です。月に一回近所のスーパー銭湯でタオルを振り、サウナ室という名の劇場で熱狂をデザインしている僕が、今回どうしても語りたいこと。それは、アウフグースまつわるあれこれです。
フルマラソンを走り終えたかのような達成感があるアウフグース。
その魅力や楽しむ切り口をお話しできればなと考えています。
アウフグースのきつさ

サウナの華、それがアウフグース。 アロマの香りに包まれて「うわ、いい匂い〜」とか言ってるのも束の間、熱波師が本気を出し始めると熱気が一変する。
文字通り“熱波”が体を襲ってきて、気がつけば「これって修行?」という自問。
お客さんの中には途中で退出する人も多い。 でも、たまに聞かれるんですよね。そんなとき必ず考える疑問
「熱波師さんは熱くないのか」
あちぃに決まってるだろ
あちぃに決まってるんすよ。
最後のほうとか、熱いというか痛い空気がくるときありますからね。お客さんが熱いということはスタッフもまた熱いのです。
水風呂

はい、ここで地獄その2、アウフグース終わりの水風呂戦争。
もうね、みんな余裕ゼロです。 おじさんも、お兄さんも、ヤンチャな人も、なりふり構わず水風呂一直線。 「フゥゥゥ〜〜〜〜〜」っていうあの声が同時多発して、完全に戦場。
でも、これがたまらなく愛おしいんですよね。
あの謎の一体感というか、戦友感。 もう、全員が「ととのいたい」という一点で団結してる。敵じゃない、仲間だ。でも、遠慮はしない。なぜなら一秒でも早く水風呂に入りたいから。
よく見る光景としては、入口前で仁王立ちしてる人、譲り合ってるように見えてちょっとだけ前に出る人、ギリギリ空いてる隙間にすべりこむ人。
でも、水風呂が混みすぎてて入れないこともある。 そんなときはシャワーでしのいだり、隅っこでひっそり冷えたり。
たまに見かけるのが、水シャワーで頭からガンガン冷やして「これもアリかも」みたいな顔してる人。僕もやったことあります。 水風呂が満員で、入れない人たちの絶望と工夫が交差するその空間、ちょっとしたサウナ文化の縮図って感じがして好きなんですよね。
水風呂をカットする勇気
アウフグース中の音楽について
アウフグースを単なる「加温」から「体験」へと昇華させるもの、それが音楽だ。サウナ室という静寂が支配する空間に、熱波師が選んだ一曲が流れ出す瞬間、そこはもう日常の延長線上ではなく、一つの「舞台」へと変貌する。
リラックスを誘う柔らかなアンビエントから、後半にかけてボルテージを上げるアップテンポな楽曲まで。僕がタオルを振る際、最も大切にしているのは、お客さんの表情とリズムを音楽で繋ぐことだ。
重低音がサウナ室で響き、熱気がメロディに乗って室内を旋回する。すると不思議なことに、熱さへの恐怖は消え、心地よい高揚感だけが残る。お気に入りのフレーズでタオルが大きく舞うとき、視覚と聴覚、そして熱を帯びた触覚が一つに溶け合う。これこそが、音楽を取り入れたサウナの楽しみ方の真髄に思える。音の波と熱の波、その両方に身を委ねる時間は、まさに極上のリラックス空間に成り上がる。
アウフグース終わりの外気浴
こここからが本番です。
アウフグース→水風呂→そして外気浴。 これぞ“ととのい”の完成形。
心臓がゆっくりと脈打って、意識がスッと静かになって、空は青くて、風が気持ちいい。 「ああ、生きてるな……」って感じる瞬間。
そんなとき、
先ほどの熱波師が仰いでくれる

で、そのとき。 先ほどまで地獄の熱風を操っていた熱波師が、今度はやさしい風を送ってくれるんですよ。 仰ぎに来てくれる。
その風が、もう……お母さんが寝てるときにかけてくれる毛布みたいな優しさ。 体の芯までしみるんですよ。
やさしさでもう一段階ととのってしまう。
ここでちょっと考えてほしいのが、熱波師の体力問題。
お客さんはアウフグース終わったら水風呂入って水飲んで、しっかり回復してるじゃないですか。 でも熱波師は、あのアチアチの空間から出た直後、回復ゼロでそのまま仰ぎに来るんですよ。
自分はととのわない。 ただお客さんの“ととのい”のためだけに風を送る。
もう、聖人か?
それでいて、笑顔で「気持ちよかったですか?」なんて聞いてくるもんだから、涙がでそうになる
熱波師の立場として

だからこそ、僕も熱波師としてアウフグースを担当するようになってから、絶対にクールスイング(外気浴でも仰ぐこと)に行くようにしてます。外気浴で気持ちよさそうな顔をしてる人たちを見るのが、何よりも嬉しい。 「ああ、やってよかったな」って思える。
しかもクールスイング中に話しかけてくれるお客さんがいるんですよ。 「今日のめっちゃ気持ちよかった!」「次はいつですか?」「アロマどこで買ってるんですか?」
そういうのって、めちゃくちゃ報われるんですよね。 熱い中、最後までタオル振っててよかったなって。
サウナ好きの皆さん、ぜひ熱波師さんに「ありがとう」って言ってみてください。 きっと最高の笑顔が返ってきますよ。
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まとめ
アウフグースって、ただの熱風イベントじゃないんですよね。 最初はアロマに癒され、途中からは修行のような熱さに耐え、そして最後には天国のような“ととのい”が待っている。
その一連の流れの中で、陰ながらめちゃくちゃ頑張ってる存在。 それが熱波師です。
体力を削ってタオルを振り、自分の回復タイムも放棄して外気浴で風を送る。 まさにサウナ界の縁の下の力持ち。サッカー日本代表で言う遠藤航。
そんな熱波師に、自分もなってみて思ったんです。 「この人たち、本当にいい人しかいないな」って。
だからこそ、あの外気浴で風を送ってくれる瞬間って、単なるサービスじゃなくて“気持ちの贈り物”なんですよね。
もし、あなたが今後アウフグースを体験することがあったら、ぜひその後の風にも注目してみてください。 そして、よかったら「ありがとう」って一言。
それだけで、僕らはまた頑張れるんです。
ととのいの裏に、熱波師の愛あり。






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