「アウフグース」って、ただ熱波を浴びるイベントだと思っていませんか?実はその奥には、サウナをもっと深く楽しむための魅力がぎゅっと詰まっています。今回はアウフグースを終えたあとの“外気浴”で、そっと風を送ってくれる熱波師に焦点を当てたお話。自分自身も熱波師として活動しているからこそ感じる、あの一瞬の優しさや、ととのいの裏側にある努力と想いを全力で語ります。読めばきっと、次にサウナに行ったとき、熱波師の姿がちょっと違って見えるはず。
アウフグースのきつさ

サウナの華、それがアウフグース。 アロマの香りに包まれて「うわ、いい匂い〜」とか言ってるのも束の間、熱波師が本気を出し始めると熱気が一変する。
文字通り“熱波”が体を襲ってきて、気がつけば「これって修行?」って自問。
お客さんの中には途中で退出する人も多い。 でも、たまに聞かれるんですよね。そんなとき必ず考える疑問
「熱波師さんは熱くないのか」
あちぃに決まってるだろ
あちぃにきまってるんすよ。
最後のほうとか、熱いというか痛い空気がくるときありますからね。お客さんが熱いということはスタッフもまた熱いのです。
水風呂

はい、ここで地獄その2、アウフグース終わりの水風呂戦争。
もうね、みんな余裕ゼロです。 おじさんも、お兄さんも、ヤンチャな人も、なりふり構わず水風呂一直線。 「フゥゥゥ〜〜〜〜〜」っていうあの声が同時多発して、完全に戦場。
でも、これがたまらなく愛おしいんですよね。
あの謎の一体感というか、戦友感。 もう、全員が「ととのいたい」という一点で団結してる。敵じゃない、仲間だ。でも、遠慮はしない。なぜなら一秒でも早く水風呂に入りたいから。
よく見る光景としては、入口前で仁王立ちしてる人、譲り合ってるように見えてちょっとだけ前に出る人、ギリギリ空いてる隙間にすべりこむ人。 もはやアート。
でも、水風呂が混みすぎてて入れないこともある。 そんなときはシャワーでしのいだり、隅っこでひっそり冷えたり。
たまに見かけるのが、水シャワーで頭からガンガン冷やして「これもアリかも」みたいな顔してる人。僕もやったことあります。 水風呂が満員で、入れない人たちの絶望と工夫が交差するその空間、ちょっとしたサウナ文化の縮図って感じがして好きなんですよね。
水風呂をカットする勇気
アウフグース終わりの外気浴
こここからが本番です。
アウフグース→水風呂→そして外気浴。 これぞ“ととのい”の完成形。
心臓がゆっくりと脈打って、意識がスッと静かになって、空は青くて、風が気持ちいい。 「ああ、俺、生きてるな……」って感じる瞬間。
そんなとき、
先ほどの熱波師が仰いでくれる

で、そのとき。 先ほどまで地獄の熱風を操っていた熱波師が、今度はやさしい風を送ってくれるんですよ。 仰ぎに来てくれる。
その風が、もう……お母さんが寝てるときにかけてくれる毛布みたいな優しさ。 体の芯までしみるんですよ。
やさしさでもう一段階ととのってしまうわ。
ここでちょっと考えてほしいのが、熱波師の体力問題。
お客さんはアウフグース終わったら水風呂入って水飲んで、しっかり回復してるじゃないですか。 でも熱波師は、あのアチアチの空間から出た直後、回復ゼロでそのまま仰ぎに来るんですよ。
自分はととのわない。 ただお客さんの“ととのい”のためだけに風を送る。
もう、聖人か?
それでいて、笑顔で「気持ちよかったですか?」なんて聞いてくるもんだから、涙ちょちょぎれそうになるんですよね。
熱波師の立場として

だからこそ、僕も熱波師としてアウフグースを担当するようになってから、絶対にクールスイングに行くようにしてます。外気浴で気持ちよさそうな顔をしてる人たちを見るのが、何よりも嬉しい。 「ああ、やってよかったな」って思える。
しかもクールスイング中に話しかけてくれるお客さんがいるんですよ。 「今日のめっちゃ気持ちよかった!」「次はいつですか?」「アロマどこで買ってるんですか?」
そういうのって、めちゃくちゃ報われるんですよね。 熱い中、最後までタオル振っててよかったなって。
サウナ好きの皆さん、ぜひ熱波師さんに「ありがとう」って言ってみてください。 きっと最高の笑顔が返ってきますよ。
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しかも、外気浴中に話しかけてくれる人もいる
「めっちゃ気持ちよかった!」「次いつやるん?」「アロマどこで買ってるの?」
こちらまでうれしくなるんですよね。頑張ってよかった。熱い中さいごまでタオルを振ってよかった。
皆さんも熱波師さんにお礼を言ったらとても喜ばれますのでぜひ!
まとめ
アウフグースって、ただの熱風イベントじゃないんですよね。 最初はアロマに癒され、途中からは修行のような熱さに耐え、そして最後には天国のような“ととのい”が待っている。
その一連の流れの中で、陰ながらめちゃくちゃ頑張ってる存在。 それが熱波師です。
体力を削ってタオルを振り、自分の回復タイムも放棄して外気浴で風を送る。 まさにサウナ界の縁の下の力持ち。サッカー日本代表で言う遠藤航。
そんな熱波師に、自分もなってみて思ったんです。 「この人たち、本当にいい人しかいないな」って。
だからこそ、あの外気浴で風を送ってくれる瞬間って、単なるサービスじゃなくて“気持ちの贈り物”なんですよね。
もし、あなたが今後アウフグースを体験することがあったら、ぜひその後の風にも注目してみてください。 そして、よかったら「ありがとう」って一言。
それだけで、僕らはまた頑張れるんです。
ととのいの裏に、熱波師の愛あり。

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