「サウナは人生をととのえる場所だ。そして、時間をととのえるのが、サ時計だ。」
ついに届いた。
CASIOの若手社員たちがサウナー魂を込めて作り上げた“サウナ時計”、通称「サ時計」が僕の元に届いたのだ。
2024年12月2日、クラウドファンディングでわずか9分間で2,300本が完売。そんな伝説を作った「サ時計」の実物を前に、男25歳、心が高鳴らないわけがない。

しかも僕は、その短い時間でブラックとサウナイキタイブルーの2色をゲット。もちろん、転売なんて毛頭考えていない。使う。使い倒す。サウナ室で。
ちなみに今やフリマアプリでは「サ時計」が3万円前後で取引されているらしい。
ビジュアル

「サ時計」の盤面は小ぶりながら、存在感がある。
操作ボタンは潔く2つのみ。サウナという極限空間で「複雑な操作はしたくない」というサウナー心理を見事に突いた設計に、まず拍手を送りたい。

そして盤面の「3」の数字は、なんと「サ」と書かれている。くだらない?いや、こういう遊び心こそが最高なのだ。さらに「7」の数字だけがひとまわり大きいデザイン。サウナーならすぐピンとくる。「7分」こそサウナの神髄だからだ。
だが何より刺さったのがバンドだ。ロッカーキーのベルトを流用したという、いかにもサウナ的アイデンティティが詰まっている。これを着けていれば、初対面でも

「あ、それサ時計ですよね?サウナ行かれるんですか?」

と一瞬で会話が生まれるはず。サウナ好きには自己紹介いらずの最強コミュニケーションツールだ。
ブルーはサウナ専用感が全開。サウナ室で映える色だ。。ブラックは普段使いしても全く違和感なし。シックで格好いい。
機能

正直に言おう。
「サ時計」の機能は、たったの二つだ。
- 時計表示
- 12分計(タイマー)
でも、これが素晴らしい。
サウナ室で細かい機能をポチポチ操作するなんて野暮だ。温度でフラフラになりながら、シンプルに「時間」を管理できる。それこそが「サ時計」の真骨頂だと思う。
サウナで時計を使うとき、最も大事なのは「視認性」だ。
大きい数字、押しやすいボタン。特に熱さで指先の感覚が鈍るあの環境で、操作が簡単なのは何よりありがたい。

サ時計のプロモーションのうまさ
感心したのは「サ時計」のプロモーション戦略だ。CASIOは実に抜け目ない。
■ サウナイキタイとのコラボ

日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」とのコラボを打ち出したことで、サウナー層に完璧にリーチ。サウナ好きならSNSや口コミで必ず目にする仕掛けだ。
公式HP:https://sauna-ikitai.com/sadokei
■ 清水みさとさんの起用

サウナ界の女神、清水みさとさん。
彼女が都内の人気サウナ「黄金湯」で「サ時計」を装着しているビジュアルがSNSに出回れば──そりゃ欲しくなる。
■ サウナ物産展2024で実物展示
全国のサウナグッズが集まる「サウナ物産展2024」に出展。現物を見て、触って、欲しくならない人はいない。
■ 全国のサウナ施設でお試し体験

サウナ施設で無料お試しができるキャンペーンも実施。実際に使ってみることで、シンプル設計の使い心地に多くのサウナーが惚れたはずだ。
マーケティングが上手い。
これだけ周到に仕掛ければ、そりゃ9分で完売も納得である。
実使用してみて良かった点

さっそく届いた「サ時計」を装着し、僕はいつものスーパー銭湯へ向かった。
汗と熱気の渦巻くサウナ室。温度計は92℃。
試すには最高の環境だ。
✅ 盤面が見やすい
熱で視界がぼんやりするサウナ室でも、数字が大きくて本当に見やすい。7分計測したいときもストレスなし。
✅ 操作がシンプル
押すのは大きな二つのボタンだけ。長押しでリセットできるのも分かりやすい。脳みそが熱で溶けかけても操作できた。
✅ 軽いのに安心感のあるバンド
ロッカーキー流用のバンドは軽いのにしっかり腕にフィット。蒸れても不快感なし。
✅ サウナ好き同士で話題になる
サウナ室で隣の男性に「それ、サ時計ですか?」と声をかけられた。即サウナ談義がスタート。素晴らしいコミュニケーションツールだ。
✅ 曇らない
サウナから水風呂に移動した時も、盤面が曇らなかった。いきなりの温度変化にも対応していた。
実使用してみて悪かった点
✅ 暗いサウナでは見えにくいかも
照明が薄暗いサウナだと盤面がやや見えづらい。バックライト機能があれば完璧だった。
しかし、機能を削ぎ落とすという面ではこちらは不必要という判断になったのであろう。
サ時計好きすぎて、自作までしてしまった話
実を言うと僕は、今回レビューしているCASIOの「サ時計」が発売されるずっと前から、自分で“サ時計”を作っていました。
きっかけは、サウナ施設で使うロッカーキーのゴムバンド。その無骨な存在感がたまらなくて、「これがそのまま時計になったら最高だろうな」とひらめき、当時のバイト先の支配人に直談判。廃棄予定のバンドを譲り受け、DIYを開始した。

ベースにはG-Shockを選び、百均やホームセンターでパーツを探し回り、試行錯誤を重ねた結果──見た目はちょっと無骨だが、手首にはしっかり馴染む、自分専用の“ととのい時計”が完成した。
サウナ室でその時計をつけていると、必ず「それ、どこのですか?」と聞かれる。そのたびに「実は自作なんです」と答える瞬間の快感といったら、冬の外気浴よりも心地いい。
だからこそ、CASIOが本格的に「サ時計」を世に出してきたときは、正直ちょっと悔しかった。でも、公式の完成度には敬意を表したい。プロが作る“サ時計”はやはり一味違う。
僕にとって「サ時計」とは、ただ時間を測る道具ではなく、自分のサウナ愛を形にする象徴なのだ。
サ時計を自作した話
まとめ

「サウナに時計なんていらない」という人もいるかもしれない。
けれどサウナでこそ、時間は命だ。
心と体をととのえるための適切な時間を知るために。
そして、あの「ととのい」の瞬間を最大限に味わうために。
「サ時計」は、そんなサウナーの願いを形にした逸品だと思う。
無駄を省いた潔い機能。
サウナーに刺さるビジュアル。
そしてサウナ好き同士をつなぐコミュニケーションツールとしての存在感。
熱すぎるサウナ室での眩暈。
水風呂での息を呑む冷たさ。
外気浴で感じる、静かで濃密な幸福感。
「サ時計」もまた、そんなサウナの“ととのい”の一部だ。
僕はこれからも「サ時計」とともに、全国のサウナを巡るだろう。
そして、あの持ちいいの瞬間を逃さぬように──。
サウナは、人生をととのえる場所だ。
そして、時間をととのえるのが「サ時計」だと、声を大にして伝えたい。
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