海外でサウナに行きたい──そう考えたとき、まず思い浮かぶのはやはり“サウナの本場”フィンランドだろう。湖畔に浮かぶ小屋、白い息、薪の香り。想像するだけで心がととのう。
だが現実は、航空券も時間もなかなかにハードルが高い。仕事を休み、長旅を経てたどり着くほどの覚悟がいる。
「もっと手軽に、でもちゃんと“異国のサウナ”を味わいたい。」
そう思う人に、僕は声を大にして言いたい。“釜山サウナ”は最高だと。
韓国と聞くと、チムジルバン──つまり大衆的なサウナ&休憩スペースのイメージが強い。だが実際のところ、韓国のサウナ文化も熱い。蒸気の質、アカスリの技、そして市民とサウナの距離感。どれもが日本とは少し違って、妙に心地いい。
気がついたこととして、韓国人に太った人は少ない気がする。みんな美容に気を使い、サウナ、チムジルバンもその一助になっているのではないか。

この記事では、**「釜山で行くべきサウナ2選」**を、実体験を交えながら紹介する。旅行のついでに寄るのもいいし、むしろ“サウナのために釜山へ行く”のもありだ。
少しでも「行ってみたい」と思った人の背中を、そっと押せたら嬉しい。
韓国サウナといえばチムジルバン

「チムジルバン」。韓国好きなら一度は聞いたことがあるだろう。簡単に言えば、岩盤浴のような施設だ。
家族や友人、恋人同士で過ごせるのが特徴で、広いフロアで寝転びながらスマホをいじる人、卵を食べながらテレビを見る人……。そこに漂う空気は、なんというか“ゆるくて、温かい”。年中ついている床暖も暖かい。
そしてチムジルバンといえば、あの**「羊のタオル」。
頭に巻くと両側にくるんと耳のような形ができるアレだ。僕も初めて現地で試してみたのだが、まわりを見渡せば、韓国人も欧米人も、みんな同じ形。頭の上でくるんと耳が生えている。
この光景がなんとも微笑ましい。知らない人同士なのに、目が合うと自然に笑ってしまう。
たかがタオル、されどタオル。あれを流行らせた韓国のおばちゃん、あるいはギャル、誰であれ「サウナの歴史に残る天才発明家」**だと思う。

次の章では、実際に足を運んで施設2つを紹介する。
1.海雲台温泉センター(해운대온천센터)

- 営業時間: 毎日4:00~0:00(水曜定休)。
- アクセス: 地下鉄2号線海雲台駅から徒歩約10分。
- 料金:10000ウォン(約1000円)
海辺のリゾート地・海雲台(ヘウンデ)エリアにある「海雲台温泉センター」は、釜山の地元民が通うローカルサウナの最高峰だ。観光客向けではなく、生活の一部としてサウナがある。だからこそ“本場の空気”を味わえる。
ここは海水温泉を引いており、肌がしっとりする。
湯は熱めからぬるめまで数種類あり、17℃の水風呂と28℃の弱冷プール(これが本当に広く、僕は勝手に“プール”と呼んでいる→錦糸町のニューウイングみたいな感じ)がある。サウナ室も複数あって、熱さも種類も本格的。90℃、70℃、60℃3つの異なる温度、湿度のサウナ室に入れる。
そして何より驚くのが営業時間。朝4時からオープン。
この“スパ銭魂”には、日本の八尾グランドホテルも顔負けだ。
旅の朝にふらっと訪れるのもよし、夜行バス明けに体を癒すのもよし。サウナーにとって、まさに「釜山の朝のオアシス」だ。


料金はわずか10,000ウォン(約1,000円)。タオル使い放題。行ってからのお楽しみだが、紙コップまでユニーク。細部まで韓国らしい自由さと人情を感じる。隣のパン屋さんも大当たり。
釜山で本気のサウナを味わうなら、まずここ。
チムジルバン設備はないが、その分、サウナと湯に全力を注いだ“街に根差した施設”である。
本場のスパ銭を体験したいなら間違いなくここ。
アカスリ
釜山のサウナに来たなら、アカスリは外せない。
ここ「海雲台温泉センター」では、15分・30,000ウォンのシンプルなプランが主流。支払いは現金のみ。フロントで予約票に名前を書くだけなのだが、英語も日本語もほぼ通じない。
施術時間になると、ロッカーバンドで呼ばれる。案内された先には、無言でタオルを巻いたおじちゃん。
日本では女性スタッフが多いが、韓国ではおじちゃんが全力でゴシゴシしてくれる。
その力強さたるや、まさに職人芸。
“奥のアカ”まで剥がされるような感覚で、終わる頃には肌が一段明るくなっている。垢抜けとはこのことか。韓国男子が綺麗なのはこれのおかげか。
そして驚いたのは、標準コースにシャンプーまで含まれていること。
洗体・洗髪・アカスリがセットになっていて、全身がリセットされる。
アカスリ文化が日常に根付いている国だからこその、無駄のない設計だ。
正直、初めての人はその勢いにびっくりするかもしれない。でも終わったあとの爽快感は、まるで別人。
韓国サウナの“核心”は、ここにある。
アカスリのススメ
2.新世界 スパランド

- 入場料(基本4時間): 平日25,000ウォン、週末(土日・祝日)28,000ウォン。
- 深夜割引(20:00以降入場): 22,000ウォン。
- 延長料金: 4時間を超えた場合、1時間ごとに5,000ウォン追加。
- 延長特典: 館内での利用額が10,000ウォン以上の場合、利用時間を6時間まで延長可能。
- 営業時間: 毎日9:00~22:00(最終入場21:00)。
- アクセス: 地下鉄2号線センタムシティ駅10番出口直結。
もしあなたが「釜山でデートでも行けるようなサウナ」を探しているなら、間違いなくここ。
**「新世界スパランド」**は、世界最大級の百貨店・新世界センタムシティに併設された高級スパだ。
館内は清潔で美しく、アロマの香りが漂う。カップルや観光客にも人気が高く、サウナ初心者にもおすすめできる。

サウナ室の種類は多彩で、岩塩サウナや黄土サウナ、アイスルームまで揃う。チムジルバンを体験するならここである。
「海雲台温泉センター」のような地元感は薄いが、“癒しと美”を求めるサウナとしては完璧な空間だ。

レストランはセルフラーメン

そして何より心を奪われたのが、館内のレストラン。
そこには「セルフラーメンコーナー」という天才の発明があった。
棚には韓国の有名インスタント麺がずらりと並び、好きな麺を選び、自分でお湯を注いで作るスタイル。
サウナで汗を流しきったあと、塩っけのある麺を啜るだけ。もうそれだけで幸福が完成していた。
韓国らしい辛いスープをすすり、追いかけるようにコーラを一口。
その辛さと甘さのギャップで2回目の温冷交代が完成した。
このシステム、単なるセルフサービスじゃない。
“サウナ後の幸福”を誰よりも理解している人間が設計した、完璧な体験装置だ。
汗と塩分とラーメンとコーラ。
この4つの要素が、まるで方程式のように交わって、最高の体験価値を作り出していた。

休憩スペースはスパラクーアみたいな感じ
休憩スペースは「スパラクーア」のように広く、照明も柔らかく、静かに眠れる。
観光の合間のリラックスタイムにもぴったりな“釜山のオアシス”だ。
まとめ
釜山サウナの魅力は、**「近いのに異国」**という距離感にある。
飛行機でたった2時間。日本語が通じなくても、湯気の中では誰もが同じ顔になる。
タオルを巻いて笑い合い、熱波に身を委ね、アカスリで一皮むける。
そのすべてが、日常を少しやわらかくしてくれる。
「海雲台温泉センター」では、地元の生活に溶け込むようなサウナ体験を。
「新世界スパランド」では、癒しとエンタメを兼ね備えた非日常を。
どちらも“釜山らしさ”をしっかりと感じられる場所だ。

もし次の旅先を迷っているなら──
温泉でも観光でもグルメでもなく、**「サウナのために釜山へ」**行ってみてほしい。
きっと、帰りの飛行機の中であなたはこう思うだろう。
「また、サクッとととのいに行こう。」




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