【スノーピーク炎上】ブラックコンバージョンキット発売中止について思うこと

キャンプ

ついに届きました。

スノーピークから送られてきたのは、「フラットバーナー専用 リッドトレーブラック 2枚セット」
今回届いたトレーは、下記ブログにある「お詫びの品」として用意されたものです。

返金という選択肢もありましたが、あえて「非売品」という言葉が添えられたこのトレーを選んだのは、どこかでこの騒動の「記録」を形として残しておきたかったからかもしれません。

このお詫びの品を受け取ることになった経緯や、当時の私の心中については、こちらの記事で詳しく触れています。

非売品という響きに少しの優越感を感じながら、丁寧に包みを解く。その瞬間までは、あくまで「一連の騒動の終着点」を確認するだけの、穏やかな作業になるはずでした。

しかし、フラットバーナーにかぶせたその数日後。 予想だにしない「事件」が起こったのです。

限定品と謳っていたのに一般発売

ブラックトレーの質感に浸っていたのも束の間。スノーピークからの通知が、静かな充足感を一瞬でかき消しました。画面に躍っていたのは、目を疑うようなニュース。なんと、スノーピークは今回のお詫びの品である「フラットバーナー専用 リッドトレーブラック 2枚セット」を、あろうことか一般販売すると発表したのです。

公式INstagramよりスクリーンショット

それも単体ではなく、「フラットバーナー専用 ブラックコンバージョンキット」とセットにして。

セット内容: フラットバーナーブラックコンバージョンキット + リッドトレーブラック1枚

販売価格: 6,578円(税込)

「非売品だから」という理由で、修理という実利を捨ててトレーを選んだユーザーは少なくありません。私もその一人です。限定品という言葉に付随する「所有欲」や「稀少性」は、キャンプギア愛好家にとっては何物にも代えがたいものです。

しかし、蓋を開けてみれば、その限定品は誰でも安価に手に入れられる市販品として店頭に並ぶことになった。これでは、あの時悩んで選んだ「誠意」の重みは一体どこへ行ってしまったのか、と首を傾げたくなるのも無理はありません。

「ほな、お詫びの品でこれ選ばなかったのに……」

そんな声も聞こえてくる。

僕個人の感想

さて、ここまで少し厳しい口調になってしまいましたが、私個人の感想を述べていきたい。

結論から言えば、「別に売ればいいんじゃない?」というのが、スノーピーカーの私が辿り着いた正直なところです。

確かに、一個人の消費者として見れば、稀少性を担保に選んだはずの品が一般化し、価値が毀損されたという意味で「損」をしたのは間違いありません。しかし、一人の「スノーピーカー」として俯瞰してみれば、企業が売れるものを作り、それを望む多くの人に届けるのは、極めて健全な経済活動です。

  • 実用性の面: トレーの性能や見た目が変わるわけではない
  • 利便性の面: より多くの人が「黒」の統一感を楽しめるようになる
  • 企業の面: 在庫や生産ラインの効率を考えれば、セット販売は合理的

結局のところ、私が手元にあるこの黒いトレーを使って淹れるコーヒーの味は、一般販売が始まろうが変わることはありません。使用する分には何も変わらない。そう自分に言い聞かせると、少しだけささくれ立った気持ちが凪いでいくのを感じます。私たちは道具の「稀少性」をキャンプ場に持っていくのではなく、その道具がもたらす「体験」を求めているはずだから。

やよい軒のおかわり中止事件と似ている気がする

画像は公式サイトより引用:https://www.yayoiken.com/

やよい軒では、「自分はおかわりしないのに、他人が無料でおかわりしているのは不公平だ」という趣旨のクレームがきっかけで、無料おかわりが試験的に中止されました。今回のスノーピークの件も、根底にあるのは「自分だけが特別(限定)だと思っていたのに、他人も安価に手に入れられるのはずるい」という、どこか似た手触りの感情ではないでしょうか。

もちろん、企業側の説明不足や価格設定の甘さは否めません。しかし、誰かが得をすることや、誰かが幸せになることを「自分の損」として捉えてしまうのは、少し寂しい気がします。ネット上の議論を見ていると、どうしても「損得」の物差しが目立ちますが、結局のところ、他人の幸せや便利になった状況を一緒に喜べる人こそが、一番心穏やかに、幸せなキャンプライフを送れるのだと思います。

販売開始発表からわずか3日で販売中止のアナウンス

公式の文章

「フラットバーナー専用ブラックコンバージョンキット」販売中止のお知らせ

この度、2026年1月1 日(木)より発売を予定しておりました「フラットバーナー専用ブラックコンバージョンキット」につきまして、お客様からのご意見を受け、当社の基本理念に基づき再度検討した結果、対象製品の販売を中止することとなりました。

対象製品の発売を心待ちにされていたお客様をはじめ、当社製品をご愛顧いただいている皆様、ならびにお取引先様を含む関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。

本事案は、製品開発から販売方針決定に至る過程において、多面的な検討が十分に行われなかったことに起因する問題であると考えております。本来であれば、常にお客様の立場に立ち、ご期待を超える製品・サービスをご提供すべきところ、結果として不十分な対応となり、深くお詫び申し上げます。

今後このようなことが発生しないよう、大切なお客様との信頼関係を常に中心に考え信頼回復に努めてまいります。何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

しっかりしてくれスノーピーク

事態は、私の想像を遥かに超えるスピードで転がっていきました。 あの「お買い得なセット販売」の発表から、わずか3日。スノーピークは、

「ブラックコンバージョンキットの販売中止」をアナウンスしたのです。

「しっかりしてくれよ」

発表直後からSNSでは火を吹くような批判が相次ぎ、炎上状態となっていたのは事実です。おそらく、年の瀬の忙しい時期にもかかわらず、本社では緊急会議が何度も開かれたのでしょう。現場の社員の方々の心痛を察すると、同情を禁じ得ません。しかし、一歩引いた「フラットな意見」を言わせてもらうならば、この一連の経営判断は、あまりにも「あほ」すぎないでしょうか。

ユーザーが何を求めているのか、あるいは「非売品」という言葉を信じたファンがどう感じるのか。その想像力が、経営層には決定的に欠けていたと言わざるを得ません。場当たり的な対策がさらなる火種を生み、熱烈なファンを冷めさせる。ブランド力が削れていく音が聞こえてきそうな、実に「ダサい」幕引きでした。シンプルに、格好悪い。それが今の私の本音です。

価格:6578円のえぐさ

今回、多くのユーザーを「絶句」させたのは、その販売価格ではないでしょうか。

スノーピークは、お詫びの品であったリッドトレーブラックを、あろうことかブラックコンバージョンキットとセットにして、「6,578円(税込)」という破格で売り出すと発表しました。

この数字、キャンプギアに明るい人なら、二度見どころか三度見するレベルの「安さ」です。 冷静に計算してみましょう。スノーピークの既存品である「ステンレストレー 1ユニット」は、1枚で5,060円です。一方で、今回のセット内容は「ブラック塗装されたトレー1枚」と「ブラックコンバージョンキット(バーナー本体の着せ替えパーツ)」です。

仮にトレー1枚を既存品と同等の5,000円と見積もった場合、5,000円。そこに本体パーツが加わるわけですから、セット価格は本来10,000円を超えていてもおかしくありません。それなのに、セットで6,578円。逆算すれば、バーナーのブラックパーツが「実質1,500円以下」という計算になります。

スノーピークさん、流石に値付けの感覚を間違えていませんか?ブラックカラーに対する市場の圧倒的なニーズは、誰の目にも明らかです。人によっては「このセットなら15,000円出す」という層も確実にいたはず。どんな経営的判断があったのかは知りませんが、このあまりにも安すぎる価格設定は、これまで高価でも高品質なブランドとして君臨してきた自らの価値を、足元から切り崩しているようにしか見えません。

実際にフリマアプリでは1枚当たり10000円~で取引されている

こうした混乱の裏で、必ずと言っていいほど暗躍するのが転売ヤーの存在です。今回のリッドトレーブラックも、例外ではありませんでした。

現在、フリマアプリを覗けば、1枚あたり10,000円〜という、定価を遥かに上回る異常な高値で取引されているのが現実です。

あえて、強い言葉で言わせてください。 「転売目的で手に入れたやつは、今後二度とキャンプをするな」

キャンプという遊びは、自然を愛しみ、不便さを楽しみ、そして共にある道具を愛でるものです。その道具の「価値」を歪め、本当に必要としているキャンパーの手を塞ぐ行為は、キャンプ文化そのものへの冒涜に他なりません。画面越しの数字だけを追いかけ、フィールドに吹く風も、炎の揺らぎも知らない人間に、我々の愛するギアを触ってほしくないのです。

他ユーザーの意見

※スノーピークコミュニティアプリよりスクリーンショット

やはり皆さん怒り心頭です。

これからのスノーピークに期待すること

「プロダクトファースト」への回帰
マーケティングや小手先の価格戦略ではなく、純粋に「これこそが欲しかった」と思わせる圧倒的な製品力。今回のスノーピーク ブラックコンバージョンキット 発売中止で露呈した、品質管理と販売計画の甘さを猛省し、再び「一生モノ」と呼べる道具を世に送り出してほしい。

ユーザーの「所有欲」へのリスペクト
限定品や非売品という言葉の重みを、誰よりもメーカー自身が理解すること。ファンがブランドを信じて選んだ「誠意」を、目先の在庫処分やセット販売で安易に上書きしない誠実さを求めます。

「ダサくない」経営判断
二転三転するアナウンスや、場当たり的な価格設定は、ブランドの輝きを最も曇らせます。迷走を止め、堂々と「これが自分たちの正解だ」と胸を張れる、芯の通った企業姿勢を見せてください。

まとめ

今回の「ブラックコンバージョンキット」を巡る騒動は、熱心なファンであればあるほど、その迷走ぶりに複雑な思いを抱いたはずです。お詫びの品の一般販売、そしてわずか3日での販売中止。そこにはユーザーへの配慮よりも、目先の火消しに追われる「ダサい」経営の姿が透けて見えました。

しかし、道具に罪はありません。手元に届いた漆黒のトレーを眺めれば、スノーピークが持つ本来の美学は確かに息づいています。損得勘定や転売の喧騒から一度離れ、私たちは純粋に「良い道具」と向き合うべきなのかもしれません。

この苦い後味は、フィールドで吹く風と焚き火の煙で洗い流すことにします。皆さんのキャンプライフが、外側のノイズに惑わされない豊かなものになることを願って。

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