今年もまた、この季節が巡ってきました。 街がクリスマスソングで浮き足立つ12月、我々スノーピーカーの心拍数を上げるのは、サンタクロースではなく「来年のカタログ」です。
「スノーピークの新製品発表」を12月の季語として歳時記に登録したい。
先日、幸運にもスペシャルミーティングに参加する機会を得ました。そこで目の当たりにしたのは、紙面や画面越しでは伝わりきらない「熱量」と「質感」。2026年のスノーピーク 2026 新製品は、全12型。 +アパレル内訳は以下の通りです。
- テント:3種
- テーブル/チェア:2種
- 収納・リュック他
正直に申し上げましょう。愛するがゆえに、忖度は一切しません。 今回のラインナップを見て、私の心が震え、「今すぐ欲しい!」とその場で購入予約をしたのはたった1つ。そして、「ゆくゆくは購入したい」と感じたのが1つ。
しかし、誤解しないでいただきたい。数が少ないことが不満なのではないのです。時代の風を読み、キャンプという文化を再定義し続けるスノーピークの姿勢。

本稿では、スペシャルミーティングで触れた現物の感触を交えながら、2026年の新製品を最速で講評していきます。どのメディアよりもリアルで、どこよりも偏愛に満ちたレビューを、お届けします。
※写真はカタログより引用しております。画質が荒いかと思いますが、参考程度に見ていただければと思います。
スペシャルミーティングでは、撮影禁止だったためこのような対応にしております。実物写真が撮れ次第差し替えていきます。
スノーピーカーとは
LAND ROCK MFS
正に言います。これを見た瞬間、現在愛用しているエルフィールドが可愛く見えてしまうほどの嫉妬と、将来への明確な目標ができました。価格は249,000円(税込)。

「高い」と感じましたか? 否、スペックを聞けば「安い」と膝を打つはずです。スタッフさんが丁寧に教えてくれました。
**「長年言われてきたランドロックのデメリットを、すべて潰しに来た最終形です」**と。
その言葉に偽りなし。「革命的な進化点」を整理しましょう。

皆が待っていた「冬の灯」:TC素材と薪ストーブ対応

商品名の「MFS」が意味するもの。それはおそらくマキストーブ(Maki Fire Stove)への最適化でしょう。(違う)
フライシートには、火の粉に強い**TC素材(テクニカルコットン)を採用。そして、ついに公式に「薪ストーブ用の煙突穴」**が装備されました。これまで自己責任で幕にハサミを入れていたキャンパー達への、公式からの回答です。冬のお籠りキャンプで、ランドロックの中で揺らめく炎を眺める。字ずらだけでキャンプに行きたくなります。

DACフレームが生んだ「10%」のゆとりと美学
構造面でもメスが入りました。フレームには、軽量かつ強靭なDAC社製フレームを採用。
特筆すべきは、その「しなり」を利用して居住空間を拡張したこと。なんと、従来のランドロックに比べて横幅が10%もアップしています。
さらに、メッシュパネルはより大きく、デザインは鋭角的に。外見はシャープなのに、中に入る広い。その分高さは低くなるものの、横幅の拡張はレイアウト変更にも大きくかかわってくるだろう
左右対称形状と建てやすいフックの構造
① 迷わない「完全左右対称(シンメトリー)」
形状が前後対称になりました。 「どっちが前だ?」と幕を広げて迷う時間はゼロ。 サイトに着いたら、広げて建てるだけ。
さらに、インナーテントが左右どちらにもつきます。 「今日はこっちを寝室に」というレイアウトの自由度が爆上がり。
ここで私の妄想が一つ。 別売りのインナーを追加して、両サイドに寝室を作れば…… 中央を巨大リビングにした**「ハイパーお座敷スタイル」**ができるのでは? 三世代キャンプやグルキャンで、最強の宴会幕になる予感がします。
② 通さない。「掛ける」フック構造

長いポールをスリーブに通すあの苦行が消えました。 **「フックをパチパチ掛けるだけ」**の構造へ進化。 これにより、設営スピードが劇的に向上。女性でも、力に自信がなくても、スムーズに立ち上げられます。
2人でも4人でも。変幻自在のインナーテント
地味ながら天才的だと思ったのが、**「伸縮するインナーテント」**です。
これまでの「大は小を兼ねる」ではなく、必要に応じて2人用にも4人用にもサイズをシフトチェンジ可能。
これは、今の私のようなソロ〜デュオキャンパーが、将来家族が増えても買い換える必要がないことを意味します。一生モノとは、まさにこのことです。
▼ ランドロックMFS スペックまとめ
| 特徴 | 詳細メリット |
| フライシート素材 | TC(混紡)素材&薪ストーブ穴搭載。冬キャンプの暖房効率と安全性が劇的向上。 |
| フレーム構造 | DACフレーム採用でしなやかに。横幅が20%拡大し、圧倒的な居住性を実現。 |
| 設営システム | フック構造&左右対称形状。設営の迷いと手間を極限まで削減。 |
| インナーテント | 可変式(2人⇔4人)。ライフスタイルの変化に合わせてサイズ調整が可能。 |
| デザイン・カラー | メッシュ大型化・鋭角デザイン。カラーは高級感あるメラクProと同色。 |
エアフレームシェルター「エアロカムラスシェル」
ついに、スノーピークがこの領域に踏み込みました。 ブランド初のエアフレームシェルター、「エアロカムラスシェル」。 コンセプトは明確。「初心者が絶対に失敗しないシェルター」です。
価格は242,000円

驚異の「5分設営」と魔法のポンプ
最大の武器はそのスピード。 付属ポンプを繋ぎ、空気を送るだけ。 わずか5分で巨大な空間が立ち上がります。
- ポールを通す手間なし
- 1カ所からの注入ですべてのフレームが連動
設営で汗をかきたくない層には、まさに救世主です。
正直な「違和感」と構造上のリスク

しかし、ファンの視点から**「本音」**を言わせてください。
- 造形美の欠如 やはり、ランドロックやリビングシェルのような「金属フレームの張り姿」には及びません。風の抵抗を下げるための低重心設計ですが、少しボテッとした印象は否めない。
- 価格とコスト 「エアフレーム=安い」という期待は外れました。しっかりと高いです。
- 「全連動」のリスク 1カ所から空気が入る便利さは、**「1カ所の漏れで全壊する」**リスクと表裏一体。 面倒でも3気室くらいに分けた方が、安全マージンが取れたのでは……。まあめんどくさいか。
結論:私は買わない。だが、未来はここにある
スノーピークが「設営のハードル」を壊しに来た姿勢はさすがです。 これからキャンプを始める40代、50代には人気がでるのか?
新しいキャンプシーンを牽引し続けるスノーピークはやはりすごい。
ですが、私は買いません。 あの面倒なポールを組み上げ、ピンと張った幕の美しさを愛する「スノーピーカー」であり続けたいからです。
ルーフトップテント「フィールドライズ」
2024年の「フィールドトレーラー」の衝撃から2年。 スノーピークは、オートキャンプの新たな可能性を模索し続けています。
新作ルーフトップテント、「フィールドライズ」。 価格は396,000円(税込)。

フォレスターやランクルに。「空中のソロ基地」
車のルーフキャリアに積載し、展開すればそこが寝室になる。 男心をくすぐる「秘密基地」的プロダクトです。
- サイズ感 完全なソロ用。スバル・フォレスターやランドクルーザーといったSUVのルーフにジャストフィットする設計。
- 設営システム こちらもエアフレームを採用。目的地に着いたら即座に展開し、泥酔する前に寝床を確保。
- 完結型デザイン 専用タープが付属しており、車を軸にしたリビング展開が可能。これ一つでキャンプが完結します。
「車中泊で良くないか?」という問い
モノとしての完成度は高い。。 しかし、25歳の私の金銭感覚と実用主義が、冷静にこう囁きます。
「約40万円出すなら、車中泊を極めた方が快適ではないか?」
断熱の効いた車内で寝るか、40万円払って屋根の上で寝るか。 この問いに対し、「屋根の上こそがロマンだ」と即答できる人だけが、この製品の真のターゲットなのでしょう。 残念ながら、私はそこまでの境地には達していませんでした。
結論:市場の審判を待ちたい
これは「効率」ではなく、純粋な「遊び心」を買うためのギアです。 この価格設定で、どれだけのスノーピーカーが屋根の上に登るのか。 その売れ行きと評価を、見ていきたい。
【Snow Peak × Helinox】
2026年、スノーピークは自社のプライドをかけて、軽量ギアの王様**Helinox(ヘリノックス)**と手を組みました。 「似たような機構の製品」を作るのではなく、正面からオファーを出してコラボする。この潔さとリスペクトの姿勢こそ、私がスノーピークを推す理由です。
① コラボ折り畳みテーブル
価格:33,000円
第一印象は、思わず漏れた「うっっしぃ(薄い)!」の一言に尽きます。

収納時は、もはや「板」です。ペライチです。 Helinoxが誇る極限のコンパクトさと、スノーピークが持つ洗練されたデザイン。この二つが融合すると、ここまで美しいギアが生まれるのかと感動しました。
ですが、買いません。 理由はシンプル。
- 価格が高い(この薄さにこの金額を出せるかは愛が試されます)
- テーブルは足りている(私のサイトにこれ以上、板は必要ありません)
モノが良いのは間違いありません。これからソロキャンプを始める人で、予算に余裕があるなら即決していい名作です。
② コラボ折り畳みチェア:王者を「スノピ仕様」へアップグレード
価格:22,000円

そして、真打ちが登場。 あの「チェアワン」スタイルのスノーピークver.です。
ただロゴを変えただけではありません。スノーピーカーを納得させる明確な違いがあります。
- フレームが太い ここが最大の特徴。本家Helinoxのチェアワンよりも、フレーム径を太く設定しています。軽さを損なわないギリギリのラインで、スノーピークらしい「剛性感」と「安心感」をプラスしてきました。
- ドリンクホルダー標準装備 「あったらいいな」を最初から付けてくれる優しさ。サイドに設けられたホルダーは使い勝手抜群です。
「機構の模倣」ではなく「本家との共創」。 軽さ、座り心地、そして頑丈さ。 すべてが絶妙なバランスで成立しています。「ヘリノックスは便利だけど、他の人とかぶるのが嫌だ」という層にとって、これ以上の選択肢はないでしょう。
つぶほおづき
会場で人だかりを作っていた、最小の新作。 「つぶほおづき」(1,980円)。

2,000円の「錯覚」
実物は、言葉を失うほど可愛いです。 指に乗るサイズで、名作「ほおづき」を完全再現。しっかり光ります。 40万円のテントを見た直後だと「実質タダか?」と錯覚しますが、冷静になればこのサイズで約2,000円は高級品。 それでも予約殺到、店頭に現れるのは大分先になりそう。
私が買わない理由
喉から手が出るほど欲しい。 しかし、私は買いません。
理由はシンプル。 「僕は、こういう小さいものを、絶対にすぐになくすからです」
キャンプ場の砂利に落として絶望する未来が見えました。
ウォータージャグ
10製品の中で、私が唯一迷わずその場で財布を開いたのがこれです。 「ウォータージャグ」 価格:8,300円(税込)

「これでいい、いや、これがいい」
形状は、よくあるドライバッグ型。 ですが、スノーピークが手掛けると、ここまで洗練されるのかと感嘆しました。 無駄を削ぎ落としたシンプルさ。それでいて「カッコいい」と思わせる佇まい。もちろん実用性も抜群です。
肩にかけることができる設計もやさしい。
迷わず予約した理由
実は私、今までコレといったジャグに出会えず、ずっと「ジャグ難民」だったんです。 そこ現れた、この最適解。 「あ、待ってたのこれや」 そう直感し、その場で予約を入れました。 届くのが今から楽しみです。
枕
価格:5,500円
既存の「ストレッチピロー」。 あえて言葉を選ばずに言えば、「使いにくい」という声が多かったですよね。 その声を真摯に受け止めたのか、スノーピークが新たな枕を投入してきました。

触感は「シリコン的」で極上
触った感触は、シリコンのような、むにゅっとした柔らかさ。 第一印象は最高です。「あ、これは絶対に寝れるやつだ」と直感させます。
「寝やすそう」という罠
しかし、注意してください。 枕というのは、「寝やすそう」と「実際に寝やすい」の間に、マリアナ海溝よりも深い溝がある道具です。 展示会で触っただけで判断するのは時期尚早。一晩過ごして、翌朝の首の調子を見るまでは信用してはいけません。
その真偽を確かめるためにも、ぜひ店頭のベッドでガッツリ熟睡してみてください。 (スタッフさんに怒られます)
ソフトクーラー(サイズ、値段違い)
昨年発売されたハイスペックな「システムクーラー」。 あれを彷彿とさせる新作が登場しましたが、驚くべきはその価格です。
- 13L:10,230円
- 15L:12,540円
- 47L:19,580円

「これで十分」と思わせる説得力
色味も変更されていますし、細かい保冷スペックなどは上位モデルと異なるでしょう。 しかし、そんな細かいことはどうでもよくなるほど「安い」です。 あのスノーピークのソフトクーラーが、この価格帯で手に入る。これは事件です。
ハードクーラーは重いし、場所を取る。 「まだクーラーボックスを持っていない」「サブのクーラーが欲しい」 そんな人には、間違いなくこれが最適解。 オーバースペックを求めすぎない、等身大の賢い選択肢と言えるでしょう。
マルチコンテナブラック
かつて「雪峰祭」限定として登場し、争奪戦となったブラックモデル。 ついに通常販売化されました。
価格設定
- S:7,700円
- M:8,800円
- L:9,900円

既存のベージュモデル(帆布)に比べて、約800円のアップです。 「黒はお金がかかるのかな?」と思いきや、ここで一つ、ファンとして残念な事実をお伝えしなければなりません。
帆布の「重厚感」が消えた
生地が、頑丈な「帆布(はんぷ)」から「ポリエステル」に変更されています。 これにより、マルチコンテナ特有の「ずっしりとした信頼感」が薄れ、正直に言えば少しチープな印象を受けてしまいました。
素材を変えてコストダウンかと思いきや、値段は800円上がっている。 この矛盾をどう飲み込むか。
それでも「黒」は正義
批判的なことも書きましたが、デザインは最高です。 黒で統一されたサイトにおいて、ベージュのコンテナは浮いてしまうもの。 「ブラックギアで統一したい」 その美学を持つ人にとっては、素材の質感を犠牲にしてでも手に入れる価値があるアイテムです。
その他(バッグ、ポーチ、トーチ)
最後に、残りのラインナップを駆け足で紹介します。 私の独断と偏見による「興味の度合い」が露骨に出ていますが、ご容赦ください。
その他(アメドマット、リサイクルスプーン) ここに関しては、私の琴線に触れなかったので潔く割愛します。
バッグ(3サイズ展開) 「リュック一つでキャンプへ」という新しい提案。 オートキャンプの王者が、バックパックキャンプへ目を向けた興味深い1品
トーチ(仕様変更の噂) これが少しキナ臭い(ガスだけに)。 噂によると、既存の「液出し仕様」が規格試験に通らなくなったという話も……? 真偽は不明ですが、現行品が廃番になる可能性は高そうです。旧仕様が好きな方は、今のうちに確保すべきかもしれません。
フレグランススプレー 「キャンプの4つのシーン」に合わせた香りの提案。
ポーチ デザイン性が高く、女性キャンパーには喜ばれそう。
まとめ、講評

今年の展示会で感じたのは、ブランドが「守り」に入らず「攻め」ているという熱量です。 初のエアフレーム参入や他社コラボは、王者としての余裕と挑戦心の表れでしょう。
その中で、私の心を射抜いたのは対照的な2つのプロダクトでした。
一つは、「LAND ROCK MFS」。 これは技術と歴史の集大成であり、いつか手にしたい圧倒的な憧れです。薪ストーブを囲む未来のキャンプ像を、鮮烈に見せてくれました。
もう一つは、「ウォータージャグ」。 こちらは8,300円の「現実的な解」。長年ジャグ難民だった私の隙間を、洗練された機能美で埋めてくれた即戦力です。
夢を見せる幕と、足元を支えるギア。 この両輪が揃っているからこそ、私たちはスノーピークに惹かれ続けるのでしょう。道具選びに正解はありません。あるのは「自分のスタイルに合うかどうか」だけ。
私のレビューが、あなたの運命のギア探しのヒントになれば幸いです。 新しい相棒と共に、フィールドへ繰り出しましょう。






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