最近のサウナ、情報のアップデートが早すぎませんか?
ちょっと前までは「ロウリュができる」だけで神施設扱いされてたのに、今やロウリュがあるのは当たり前。ただ石に水をかけるだけじゃ、今のサウナ―はもう満足できない体になっちゃってるわけですよ。
「とりあえずサウナストーンに水ぶっかけときゃいいんだろ?」なんて思ってる施設があったら、一言言いたい。「甘い、甘すぎるぞ」と。
今は「壁」を濡らし、「床」を潤し、「氷」で蒸気をコントロールする時代。
今回は、そんな肥えまくったサウナーの期待に応えるべく、日本独自の進化を遂げた「ロウリュの派生技術」を徹底解説します。

実体験に基づいているので、次のサウナ選びの参考にしてください。この記事を読み終える頃には、あなたのサウナ偏差値は確実に「ととのい」の向こう側へ行けるはずです。
日本サウナ文化を変えた「ロウリュ」の進化

かつての日本サウナといえば、昭和のおじさんたちがテレビを観ながらカラカラの熱に耐える「ドライサウナ(高温低湿)」が主流でした。
しかし、2010年代後半からの第3次ブームを経て、フィンランド式の「ロウリュ(Löyly)」が完全に市民権を得ました。本来、ロウリュは「蒸気」そのものを指す言葉ですが、日本では「石に水をかける行為」として定着しました。
このロウリュの登場でサウナの「質」が劇的に変わったわけですよ。
ロウリュとアウフグース
ここでよく混同されるのが、ドイツ発祥の「アウフグース」との違い。
「どっちも熱い風が来るやつでしょ?」と思われがちですが、本質は全く別物です。

| 項目 | ロウリュ (Löyly) | アウフグース (Aufguss) |
| 発祥地 | フィンランド | ドイツ |
| 主な目的 | 湿度の向上、蒸気を静かに楽しむ | 熱波による体感温度の急上昇 |
| 構成要素 | 水を石にかける行為(蒸気発生) | 蒸気 + タオルによる攪拌・熱波 |
| エンタメ性 | 静寂の中でのリラクゼーション | 音楽や舞いを伴う演出 |
ロウリュによって湿度が上がると、肌の表面で水蒸気が液化し、その際の「潜熱」によって体感温度が爆上がりします。この熱刺激が交感神経をバチバチに叩き、その後の水風呂で脳内物質(β-エンドルフィンなど)をドバドバ出してくれるわけです。

ドイツのサウナにもフィンランドのサウナにも行きましたが、やはり別物でした。
フィンランドで上記をタオルでまわしたりしようものなら現地民に怒られます。
フィンランドサウナ体験記
ドイツサウナ体験記

「ウォーリュ(壁)」と「フローリュ(床)」の衝撃
最近のトレンドは、もはやサウナストーンだけに頼らない「面」での湿度管理です。
木材の香りが爆発する「ウォーリュ」の持続力
「ウォーリュ」は、ウォール(壁)+ロウリュの造語。サウナ室の壁面に直接水をかける手法です。
これ、初めて見た時は「壁に水かけて大丈夫か?」と思いましたが、やってみると新体験。

石へのロウリュが「一瞬の爆発力」なら、ウォーリュは「じわじわ効く持続力」。木材が水分を吸い込み、それをゆっくり放出することで、室内の湿度が安定。しかも、木の香りが蒸気とともに広がる。まさに森の中で呼吸しているような感覚になれます。
ニューウイング吉田さんの必殺技「フローリュ」
そして、マニアの間で「変態的」と称されるのが、錦糸町「ニューウイング」の吉田支配人が生み出した「フローリュ」です。
これは「フロア(床)」+ロウリュ。なんと、サウナ室の床に直接水を撒くんです。
「そんなことして意味あるの?」
足元から湿気が立ち上がることで、サウナ室特有の「足元だけ冷える」という現象が解消され、全身が均一な蒸気に包まれる。この「湿度をサウナ室の底から作る」という発想、まさに離れ業。
地域資源の結晶「モーリュ」で十勝の自然を吸い込む

写真はホームページより
北海道の「森のスパリゾート 北海道ホテル」で体験できるのが「モーリュ」。
これは、十勝名物の「モール温泉」をロウリュ水として使う贅沢すぎる手法です。
植物由来の有機酸をたっぷり含んだ蒸気は、肌あたりが驚くほど柔らかい。ウォーリュと組み合わさった時の多幸感は、国内最高峰と言っても過言じゃないです。
美肌にも効果があるとかないとか。
【徹底解説】キューゲル/アイスロウリュ
さて、ここからが本題。「キューゲル」について深掘りしましょう。
最近、おしゃれな施設やアウフグースイベントでよく見かける「氷の玉」、あれです。
氷を置く「アイスロウリュ」から派生した「キューゲル」の定義
キューゲルは、もともとサウナストーンの上に氷の塊を置く「アイスロウリュ」の派生技術です。単なる氷の塊ではなく、アロマ水を球状に凍らせているのが特徴。

熱波師がキューゲルを好む3つの理由
なぜ、アウフグースの現場でキューゲルがこれほど重宝されるのか。
調査と実体験から分析すると、3つの明確なメリットが見えてきました。

- 香りのグラデーション(持続性)液体のロウリュは一瞬で香りが飛びますが、キューゲルは外側からゆっくり溶けます。アウフグースの10分〜15分という長い時間中、常に「新鮮な香り」を供給し続けられるんです。
- 蒸気の「質」のコントロール一気に水をかけると熱すぎて火傷しそうになることがありますが、キューゲルは少しずつ蒸発するため、優しくも濃厚な湿度が作れます。熱波師がタオルを振る際、この「適度な湿度」が一番風を操りやすいというわけです。
- 演出とホスピタリティ見た目が美しく、石の上で氷が踊る「チリチリ……」という音は、視覚と聴覚を刺激する最高の演出になります。また、セルフロウリュ可の施設では、石のかけすぎによるストーブ故障を防ぐ「安全装置」としての役割も果たしているのではないか。

スローリュ・ミュージックロウリュ・その他
まだまだあります、日本の変態的な進化形。
30分間のロングセット?「スローリュ」で深部体温を極限まで上げる
「天然温泉 平和島」の名物「スローリュ」は、名前の通り30分かけてゆっくり身体を温めるプログラム。
一気に熱くしないから、普段「サウナは10分が限界」という人でも、気づけば30分完走できちゃう。結果、身体の芯まで熱が入り、水風呂での「ととのい」が通常の3割増しになります。
脳が揺れる「ミュージックロウリュ」と「インフュージョン」
最近の若者にバカ受けしているのが「ミュージックロウリュ」。
「COCOFURO たかの湯」などが有名ですが、爆音のBGMに合わせてオートロウリュと爆風が吹き荒れる。もはやサウナというよりライブ会場です静かに瞑想したい人には向きませんが、「トランス状態」に入りたいならこれ一択。ぼくが今まで入ったサウナで一番熱かったのがこのミュージックロウリュ。
いったことない人はぜひ。

また、アロマオイルではなく、ほうじ茶やハーブを直接煮出した抽出液を使う「インフュージョン」も、香りの深みが段違い。本物を知る大人のためのロウリュ。
ハーブの香りが特徴的なのは清水みさとさんもおすすめしている岐阜県の「恵みの湯」へ行ってみて。
清水みさとさんの本はこちら!おススメ
まとめ
いかがでしたか? ロウリュの世界、奥が深すぎませんか。
もはや「熱ければいい」という時代は終わり、「どんな質の蒸気を、どう楽しむか」を選ぶ時代になった。

| 技法名 | 特徴 | 体験できる代表施設 |
| ウォーリュ | 壁に注水。木の香りと持続する湿度 | 北海道ホテル |
| フローリュ | 床に撒水。足元から全身を包む湿度 | ニューウイング |
| キューゲル | アロマ氷。アウフグースとの相性最強 | タイムズ スパ・レスタ他 |
| モーリュ | モール温泉の蒸気。美肌効果◎ | 北海当ホテル |
| ミュージック | 爆音×爆風。若者支持率No.1 | たかの湯 |
- 蒸気は上から降りてくることを意識せよ
ロウリュ直後、熱いと思ったらすぐに1段下がる。上記を楽しんでこそ上級者。 - 香りを「鼻」ではなく「喉」の奥で感じる
特にインフュージョンやモーリュは、ゆっくり深呼吸して全身で受け止めるのが吉。 - マナーは絶対。セルフロウリュは一声かける
「ロウリュいいですか?」この一言が、サウナ室の平和を守る。
どの技法が一番なんて決められません。その日の体調や気分に合わせて、自分にぴったりの「蒸気」を探しに行く。それこそが、現代サウナーの醍醐味なんじゃないでしょうか。
今週末はどこの「蒸気」を浴びに行きますか?





コメント