【サウナ施設の良し悪し】いいサウナ施設はシャワーの水圧が強い

シャワーの画像です。 やってよかったこと

「サウナが好きなんです」と言うと、多くの人が「いいね!健康に良さそう」と返してくれる。たしかにサウナは最高だ。けれど、サウナ好きの世界というのは奥が深い。
例えば「サウナ室の温度は何度が理想か」という議論に始まり、水風呂の温度、ロウリュの香り、休憩スペースの整い椅子の角度にまで、語り出すと止まらない。

そして、今回は僕が声を大にして伝えたい、新たなる「サウナ施設の良し悪しを決める基準」を提案したい。

それが──

シャワーの水圧。

多くの人が「そこ!?」と思うかもしれないが、こればかりは譲れない。今日は、サウナ施設選びにおける“水圧基準論”と、それにまつわるあれこれをお話ししたい。

シャワーの水圧が強い施設は間違いなく“良い”

僕は声を大にして言いたい。

「洗い場のシャワーの水圧が強い施設は、ほぼ間違いなく良い施設である」と。

サウナを楽しむ人間にとって、身体を清める“洗い場”は単なる前座じゃない。むしろ、そこからすでにサウナ体験は始まっている。熱々のサウナ室に入る前に、しっかりと全身を洗い流す。ここでシャワーの水圧が弱々しいと、すべてのテンションが削がれるのだ。

ぽたぽたと細い水が垂れるばかりで、泡すら流れ落ちない。そんなシャワーでは、気持ちが整うどころか、むしろイライラが募るばかりだ。洗い場のシャワーが強いというだけで「この施設は信頼できる」と僕は確信してしまう。

そもそも、勢いのある水圧を保つにはそれなりのコストがかかる。水道代は跳ね上がるし、配管やシャワー設備のメンテナンスも大変だ。だが、そんな“見えない部分”にまで投資を惜しまない姿勢こそが、その施設の「お客様を大事にする」という本気度を物語っていると思うのだ。

たかがシャワー、されどシャワー。サウナ好きなら、この些細に見えるこだわりに、深くうなずいてくれるはずだ。

シャワー関連でいくと、近年、シャワーヘッド業界はちょっとしたブームだ。ReFaやミラブルなど、高級シャワーヘッドを導入する施設も増えた。
もちろん、肌当たりがやわらかいだの、美容効果があるだの、売り文句は素晴らしい。だが、あれは所詮、表面の演出に過ぎない。

本質は──水圧。

どれだけ高級シャワーヘッドを付けても、元の水圧が低ければ意味がない。施設選びの基準は、見た目よりも中身。これはサウナに限らず、人生に通じる真理かもしれない。

画像はホームページより

シャワーヘッドの盗難問題

ところで、高級シャワーヘッドには思わぬ弊害がある。

盗難。

「そんなもの盗る人いるの?」と思うかもしれないが、いるのだ。僕がアルバイトしていた温浴施設では、ReFaのシャワーヘッドがごっそり盗まれる事件が実際に起きた。

一個4万円弱。数個盗られると、それだけで何十万円の損害である。

その施設では対策として、シャワーヘッドが外れないように、ロック機構付きのアジャスターを取り付けた。なんとも悲しい話である。

化粧水/乳液常備

もうひとつ、僕が「良い施設だ」と確信するポイントがある。

それが──

化粧水と乳液の常備。

風呂上がり、火照った肌にしみ渡る化粧水と乳液。この瞬間が至福だ。けれど、このサービスは施設側からしたらメリットがほとんどない。

・すぐ汚れる
・コストがかかる
・無駄使いされる
・盗まれる可能性あり

それでも置いてくれる施設は、間違いなく良い。しかも、無印良品の化粧水と乳液だったりしたら、さらにポイントは爆上がりである。

ヘアトニックはいらない

逆に

「ヘアトニック、いらない。」

なぜか昔から温浴施設には、スースーするヘアトニックや化粧水が置かれている。
あれを顔に塗った日には、肌はヒリヒリ、全身からスースーと謎の風が吹き出す。

どうか、無印の化粧水と乳液だけ置いてほしい。それでいい。それだけでいいのだ。

サウナマット交換頻度も指標になりうる

そして、良い施設かどうかを見極める次のポイント。それが

サウナマットの交換頻度だ。

サウナ室に入ったとき、まだ湿り気をたっぷり含んだマットに座るほど、悲しい瞬間はない。逆に、交換直後の乾いたマットに座れたときの幸福感は、ご褒美とすら思える。
僕が働いていたバイト先は、通常1時間に1回、混雑時は30分に1回、マットを交換していた。これがどれほど大変か、想像してほしい。

服を入るサウナ室。猛烈な熱気の中で、マットを外し、畳み、濡れた床を拭き、新しいマットを敷く。これを何度も繰り返すのだ。

それでも頑張るのは、すべてお客さんの快適のため。マット交換が頻繁な施設こそ、本当に良い施設だと僕は信じている。

画像引用:https://www.askul.co.jp/p/E068670/

サウナ 水風呂 外気浴+接客というお話

「ととのい椅子」の脚置きがあると良い

サウナの醍醐味は、熱々のサウナ室とキンキンの水風呂、そのあとに待つ“ととのいタイム”だ。外気浴で椅子に腰掛け、空を仰ぎ、そよぐ風を感じながら無心になるあの瞬間が、全てを報われた気持ちにさせてくれる。だがここで伝えたい。

ととのい椅子には「脚置き(オットマン)」があるかどうかが、極上と普通を分ける分水嶺だと。脚を伸ばせる椅子は、それだけで体感幸福度が爆上がりする。

血流がスムーズに巡り、深い呼吸が自然と出る。まるで身体が溶けるような感覚。脚置きがない椅子で膝を折りたたんで座るあの窮屈さを経験した人なら、この違いは痛いほどわかるだろう。ととのうとは、身体全体で自然に委ねること。脚置きの有無は些細に見えて、実はサウナ施設の本気度を測る指標のひとつなのだ。

雨の日の外気浴はご褒美

画像:http://shop.tosho-corp.jp/products/list?category_id=150

まとめ

サウナ施設の良し悪しを決めるのは、サウナ室の温度でも水風呂の冷たさでもない。僕が提案したいのは、もっとディテールの部分だ。たとえばシャワーの水圧。高い水圧は、施設の「お客様を喜ばせたい」という意思の表れだ。さらに化粧水・乳液の常備や、サウナマットの交換頻度など、一見地味だけど利用者の満足度を底上げする細やかな心配りが、良い施設を生むのだと思う。サウナは「ととのう」だけじゃない。その裏に潜む努力や愛を感じられたとき、人は本当にサウナに恋をする。これからも僕は、シャワーの水圧を浴びながら、いいサウナ施設を探し続けたいと思う。

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